臨床論文(代表的業績を抜粋し説明文付記)

Eur Urol. 2015 Sep(in press)

Three-dimensional Printed Model of Prostate Anatomy and Targeted Biopsy-proven Index Tumor to Facilitate Nerve-sparing Prostatectomy.

Shin T, Ukimura O, Gill IS.

前立腺癌におけるindex cancerの存在部位つまり前立腺被膜や神経血管束と位置関係は、神経温存前立腺全摘除術および前立腺局所療法施行にあたり、非常に重要な意味合いを持つ。そこで我々は前立腺全摘除術前に、MRIおよびMRI-TRUS fusion biopsyの結果よりindex cancerを同定し、前立腺形状、神経血管束およびindex cancerをそれぞれ色分けしたオーダーメイド3D模型を、3Dプリンターを用いて作成した。結果全ての症例で手術断端は陰性であり、また3D模型と全摘標本においてindex cancerの部位は正確に一致しており、前立腺3D模型の有用性が示唆された。

J Urol. 2015 Oct;194(4):957-65.

Prostate Cancer Volume Estimation by Combining Magnetic Resonance Imaging and Targeted Biopsy Proven Cancer Core Length: Correlation with Cancer Volume.

Matsugasumi T, Baco E, Palmer S, Aron M, Sato Y, Fukuda N, Süer E, Bernhard JC, Nakagawa H, Azhar RA, Gill IS, Ukimura O.

前立腺癌のMRI診断では、しばしば腫瘍体積の過小評価や過大評価が問題となる。そこで我々はMRI-TRUS fusion biopsyにて前立腺癌と診断、その後前立腺摘除術を施行した81人の患者を対象とし、fusion biopsyのcancer core lengthを用いることで、より正確な腫瘍体積予測が可能であるかについて検討を行った。Fusion biopsyのcancer core lengthは、MRI単独による推定腫瘍径と比べて、全摘標本腫瘍径をより正確に予想することが可能であった。またMRIによる推定腫瘍体積にcancer core lengthの情報を組み合わせることで、MRI単独より正確な腫瘍体積予測が可能となることが判明した。

Prostate. 2015 Jun;75(8):863-71.

A novel technique using three-dimensionally documented biopsy mapping allows precise re-visiting of prostate cancer foci with serial surveillance of cell cycle progression gene panel.

Ukimura O, Gross ME, de Castro Abreu AL, Azhar RA, Matsugasumi T, Ushijima S, Kanazawa M, Aron M, Gill IS.

前立腺癌に対するPSA監視療法では、定期的な生検が必要となる。従来の系統的生検はサンプリングエラーという欠点があり、再生検では50%以上悪性所見がないと診断される。そこでわれわれは生検時、Urostation®(Koelis, France)を用いて3D 生検マップを作成することにより、再生検時に癌病巣の正確なre-visitが可能であるかについて検討した。初回生検では合計43の癌病巣が明らかとなった(1.7癌病巣/人)。再生検時(再生検までの期間:中央値 1年)、既知の癌病巣のre-visitingを試みたところ、86%(37/43)で癌が認められ、正確なre-visitingが可能であること判明した。

J Endourol. (in press)

Laparoendoscopic Single-site Surgery for Pediatric Urologic Disease.

Yamada Y, Naitoh Y, Kobayashi K, Fujihara A, Johnin K, Hongo F, Naya Y, Kamoi K, Okihara K, Kawauchi A, Miki T.

泌尿器科領域において、本邦で初めて単孔式手術を当科で施行し報告して以来、成人症例のみならず小児症例にも積極的に単孔式腹腔鏡手術を取りいれ、これまで合計31例施行した(腎盂形成術21例、腎摘除術4例、精索静脈瘤根治術3例、精巣摘除術1例、精巣固定術1例、性腺摘除術1例)。美容的に優れており、術後の疼痛も通常の腹腔鏡手術より軽減されるため、小児領域における単項式腹腔鏡手術は有用な治療方法であることが示唆された。

Int J Urol. 2015 Aug;22(8):731-4.

Laparoscopic off-clamp partial nephrectomy using soft coagulation.

Hongo F, Kawauchi A, Ueda T, Fujihara-Iwata A, Nakamura T, Naya Y, Kamoi K, Okihara K, Miki T.

当院では腎機能温存を目的とし、小径腎腫瘍に対してバイポーラソフト凝固を用いた腹腔鏡下無阻血腎部分切除術を行っている。本法を施行した31例と阻血下腎部分切除を行った30例と比較検討した。無阻血群と阻血群ではR.E.N.A.L.Nephrometry score、手術時間、出血量、術後3ヶ月の血清クレアチニン値に有意差は認めなかった。無阻血、無縫合での腹腔鏡腎部分切除術は安全に施行可能であると考えられた。術後の腎機能については有意差は認めなかったが、無阻血かつ無縫合である本法はvolume lossが少ない手技であり、有用である可能性が示唆された。

Int J Urol. 2015 Jul;22(7):663-8.

Clinical outcomes and histological findings of patients with advanced metastatic germ cell tumors undergoing post-chemotherapy resection of retroperitoneal lymph nodes and residual extraretroperitoneal masses.

Nakamura T, Oishi M, Ueda T, Fujihara A, Nakanishi H, Kamoi K, Naya Y, Hongo F, Okihara K, Miki T

進行性精巣腫瘍の治療において、化学療法後の残存腫瘍を摘除することの重要性は議論の余地のないところである。当科において化学療法後の残存腫瘍に対して初回後腹膜リンパ節廓清(RPLND)を行った156例のうち後腹膜リンパ節以外の転移巣切除(ExRPR)を行った47例について検討した。化学療法後の残存腫瘍に対するExRPRとRPLNDとの病理組織の相違が30%以上あった。残存がん/奇形腫では再発率が比較的高値であるため、画像上残存腫瘍を認める場合は、可能な限り摘除することが望ましいと考えられた。

Int J Urol. 2015 Mar;22(3):288-93.

Salvage combined chemotherapy with paclitaxel, ifosfamide and nedaplatin for patients with advanced germ cell tumors.

Nakamura T, Ueda T, Oishi M, Nakanishi H, Fujihara A, Naya Y, Hongo F, Kamoi K, Okihara K, Miki T.

難治性精巣腫瘍における、救済化学療法としのpaclitaxel・ifosphamide・nedaplatin併用化学療法(TIN療法)の有効性および安全性を検討した。対象は65例の難治性精巣腫瘍で、中央値6コース(3~15コース)施行。17例で2nd lineとして施行、31例で3rd line 、17例で4th line以降の加療として施行し全体の奏効率は62.9%であった。救済外科療法、放射線療法などを追加し、全生存率は59.3%であった(観察期間の中央値 34か月)。TINによる救済化学療法は、難治性精巣腫瘍に対して有用であると考えられた。

Brachytherapy. 2015 Mar-Apr;14(2):118-23.

Permanent prostate brachytherapy and short-term androgen deprivation for intermediate-risk prostate cancer in Japanese men: outcome and toxicity.

Yamada Y, Masui K, Iwata T, Naitoh Y, Yamada K, Miki T, Okihara K

中間リスク群前立腺癌に対するホルモン療法併用密封小線源療法の治療成績について検討した。ホルモン併用中間リスク群が152例、低リスク群が156例であり、5年全生存率、癌特異的生存率及び生化学的無再発率はそれぞれ97.6%/99.2%、100%/100%、94.6%/94.8%であり、いずれも2群間に有意差を認めなかった。低リスク群と変わらない良好な長期成績が確認され、有用な治療選択肢になるとが示唆された。

J Laparoendosc Adv Surg Tech A. 2014 Nov;24(11):795-8.

Experience of laparoscopic partial nephrectomy using a kidney grasper in selective cases.

Hongo F, Kawauchi A, Itoh Y, Fujii H, Naitoh Y, Nakamura T, Naya Y, Kamoi K, Okihara K, Miki T.

腹腔鏡下腎部分切除術後の腎機能温存のためには温阻血時間(WIT)の短縮が重要である。我々はWIT短縮のため、腎の一部を限局して阻血することが可能なキドニーグラスパーを用いた腎部分切除術を行った。対象は腎細胞癌5例で腫瘍径は平均15mm。4例において本法により手術を完遂。1例では出血のコントロールが困難であり、ブルドック鉗子による腎動脈のクランプに切り替えた。4例における部分阻血時間は平均23.6分、出血量は平均110ccであった。本法は腎部分切除術における阻血法の1つのオプションとして有用であると考えられた。

Int J Clin Oncol. 2015 Jun;20(3):593-7.

Initial experience of combined use of photodynamic diagnosis and narrow band imaging for detection of flat urothelial lesion.

Naya Y, Oishi M, Yamada Y, Ueda T, Fujihara A, Nakanishi H, Naito Y, Nakamura T, Hongo F, Kamoi K, Okihara K, Miki T.

膀胱癌の局在診断法として光力学的診断(PDD)と狭帯域光観察(NBI)があり、ほぼ同等の感受性、特異度を有していることが報告されているが、同一症例で比較検討した報告はない。平坦病変の検出能はややPDDが勝っていたが、PDD、NBIいずれも陰性な部位から癌は検出されずPDDとNBIを併用することで無作為生検を減らせる可能性が示唆された。本論文は白色光で診断困難な平坦病変検出に対するPDDとNBIの有用性を前向きに同一症例で比較した世界初の論文である。

Int J Clin Oncol. 2015 Apr;20(2):358-61.

Comparison of diameter-axial-polar nephrometry and RENAL nephrometry score for treatment decision-making in patients with small renal mass.

Naya Y, Kawauchi A, Oishi M, Ueda T, Fujihara A, Naito Y, Nakamura T, Hongo F, Kamoi K, Okihara K, Miki T.

腎腫瘍の大きさ、部位から腎部分切除の難易度を予想する指標としてR.E.N.A.L-NSが2009年に発表されたが、2012年に評価方法が簡便なDAPが発表された。本論文は、本学の腎癌腹腔鏡手術症例を対象にDAPとR.E.N.A.L-NSをDAPの発表論文以外で初めて比較した論文である。いずれも腹腔鏡下腎部分切除術の治療方針決定に有用な指標であった。腹腔鏡下腎部分切除を行うか開腹腎部分切除術を行う方がよいのかを決定するためのDAPスコアのカットオフ値も新たに提唱した。

Int J Urol. 2014 Aug;21(8):793-6.

Laparoendoscopic single-site versus conventional laparoscopic pyeloplasty: a matched pair analysis.

Naitoh Y, Kawauchi A, Yamada Y, Fujihara A, Hongo F, Kamoi K, Okihara K, Miki T.

泌尿器科領域において、本邦で初めて単孔式手術を当科で施行し報告して以来、先天性腎盂尿管移行部狭窄症に対して単孔式腹腔鏡下腎盂形成術を施行している。成人および小児症例における単項式腎盂形成術の手術成績を標準的腹腔鏡下腎盂形成術と比較検討した。結果は、手術時間は小児・成人両方の症例において有意差はないが、術後の痛みは単項式群にて有意に少ないことが明らかとなった。本論文の意義は、同一術者おける小児および成人の症例の比較検討ができたことであり、このような報告は少ない。

Urology. 2014 Jan;83(1):243-6.

Laparoendoscopic single-site versus conventional laparoscopic pyeloplasty: a matched pair analysis.

Naitoh Y, Kawauchi A, Yamada Y, Fujihara A, Hongo F, Kamoi K, Okihara K, Miki T.

泌尿器科領域において、本邦で初めて単孔式手術を当科で施行し報告して以来、先天性腎盂尿管移行部狭窄症に対して単孔式腹腔鏡下腎盂形成術を施行している。成人および小児症例における単項式腎盂形成術の手術成績を標準的腹腔鏡下腎盂形成術と比較検討した。結果は、手術時間は小児・成人両方の症例において有意差はないが、術後の痛みは単項式群にて有意に少ないことが明らかとなった。本論文の意義は、同一術者おける小児および成人の症例の比較検討ができたことであり、このような報告は少ない。

Urology. 2014 Jan;83(1):243-6.

Nephrolithotomy performed concurrently with laparoendoscopic single-site pyeloplasty.

Naitoh Y, Kawauchi A, Kamoi K, Soh J, Hongo F, Okihara K, Miki T.

泌尿器科領域において、本邦で初めて単孔式手術を当科で施行し報告して以来、先天性腎盂尿管移行部狭窄症に対して単孔式腹腔鏡下腎盂形成術を施行してきた。これらの症例の中に拡張した腎盂内に結石を伴った症例があり、単孔式腹腔鏡下腎盂形成術と同時に単孔式のポートから腎盂鏡を挿入するというアイデアにより結石の摘出を行った5症例について報告した。こういった報告は例がなく我々の報告が初めてである。

J Urol. 2013 May;189(5):1797-803.

Urge perception index of bladder hypersensitivity.

Fujihara A, Ukimura O, Honjo H, Iwata T, Ueda T, Matsugasumi T, Kamoi K, Okihara K, Kawauchi A, Miki T

尿意切迫感は過活動膀胱(OAB)のkey symptomであり、近年、排尿日誌に1回尿量とともに尿意の強さをつけることがその評価において有用であることが報告されている。我々は、排尿日誌において1回排尿量をその時の尿意の強さで割った値をurge perception index(UPI)として定義し、UPIがOAB患者において非OAB患者より有意に低い値であることを示した。UPIは非侵襲的で簡便な方法であり、今後は治療効果の判定などOABの重症度定量的検査として期待できると考える。

J Urol. 2012 Nov;188(5):1910-4.

Health related quality of life for monosymptomatic enuretic children and their mothers.

Naitoh Y, Kawauchi A, Soh J, Kamoi K, Miki T

夜尿症児139例とその母親のHealth Related Quality of Life(HRQOL)を治療前後に評価した。結論は、夜尿症は患児とその母親のHRQOLに負の影響を及ぼすが、夜尿症を適切に治療することにより、損なわれたHRQOLを改善させることができるというものである。本論文の意義は、夜尿症はてんかんや癌などの慢性疾患と同様に、患児のみならず家族のHRQOLにも負の影響を与えるもので、未治療のまま自然に任せておくべきものではなく、治療をすることが重要であると訴えたことである。

Nat Med. 2012 Aug;18(8):1254-61.

Multipeptide immune response to cancer vaccine IMA901 after single-dose cyclophosphamide associates with longer patient survival.

Walter S, Weinschenk T, Stenzl A, Zdrojowy R, Pluzanska A, Szczylik C, Staehler M, Brugger W, Dietrich PY, Mendrzyk R, Hilf N, Schoor O, Fritsche J, Mahr A, Maurer D, Vass V, Trautwein C, Lewandrowski P, Flohr C, Pohla H, Stanczak JJ, Bronte V, Mandruzzato S, Biedermann T, Pawelec G, Derhovanessian E, Yamagishi H, Miki T, Hongo F, Takaha N, Hirakawa K, Tanaka H, Stevanovic S, Frisch J, Mayer-Mokler A, Kirner A, Rammensee HG, Reinhardt C, Singh-Jasuja H.

腎癌に対する新規免疫療法であるIMA901ワクチンの治療効果に関する検討であ る。IMA901はヒト腎癌に発現している複数のHLA-A-02拘束性腫瘍関連ペプチドの セットである。サイクロフォスファマイドとの併用により、その治療効果の増強 が認められた。また、本研究につづく本邦での第I/II相試験は本学と大阪市立大 学で行われた。

Brachytherapy. 2012 Jul-Aug;11(4):265-70.

Quantitative evaluation of lower urinary tract symptoms using a visual analog scale in men undergoing permanent brachytherapy.

Okihara K, Ukimura O, Ushijima S, Kamoi K, Iwata T, Kobayashi K, Naitoh Y, Yamazaki H, Kawauchi A, Miki T

密封小線源治療前後の排尿症状に関する評価として、156症例を対象に従来のIPSSと当科にて開発したVisual Analogue Scale(VAS)質問票を用いて解析した。IPSS-QOLとの相関分析ではVAS質問票の方かIPSSより有意に高かった。また治療後の下部尿路症状のQOLを決定する有意な因子はVAS問診票を用いることにより夜間頻尿であることが判明した。密封小線源治療後の排尿症状の管理には夜間頻尿への対策が重要であることが示唆された。

J Endourol. 2009 Nov;23(11):1875-8.

Transvesical laparoscopic cross-trigonal ureteral reimplantation for correction of vesicoureteral reflux: initial experience and comparisons between adult and pediatric cases.

Kawauchi A, Naitoh Y, Soh J, Hirahara N, Okihara K, Miki T.

2005年に本邦で初めて当科で施行した経膀胱的腹腔鏡下逆流防止術について、小児および成人症例においてその手術成績を報告した。標準的な術式は下腹部横切開で行うのに対して、本術式は5mmのポート3つで施行でき、術後の痛みが少なく美容的に優れている。先進医療承認を経て2012年には保険適応となり今後広く普及していくことが期待され、標準化に向けて取り組んでいる。

J Urol. 2006 Aug;176(2):665-71.

Visual analog scale questionnaire to assess quality of life specific to each symptom of the International Prostate Symptom Score.

Ushijima S, Ukimura O, Okihara K, Mizutani Y, Kawauchi A, Miki T.

下部尿路症状の重症度評価として国際前立腺スコア(IPSS)が広く用いられている。IPSSの合計点数は患者のQOLと関係しているものの、各項目の重症度は各患者の悩みとは相関しておらず、IPSSによるQOLの評価には限界があった。我々は疾患の影響や治療効果判定に広く用いられているVisual Analog Scale(VAS)でIPSSの各症状に特異的なQOL評価を評価する質問票を作成し、246名の男性患者を対象にして質問票の有効性を評価した。QOLの変化と各質問項目の相関関係を検討したが、IPSSと比較してVAS問診票の方が高い相関関係を認めた。VAS質問票が下部尿路症状を評価するうえでの良好な妥当性を有していることを示した。

Urology. 2005 Sep;66(3):632-5.

Combination therapy with alarm and drugs for monosymptomatic nocturnal enuresis not superior to alarm monotherapy.

Naitoh Y, Kawauchi A, Yamao Y, Seki H, Soh J, Yoneda K, Mizutani Y, Miki T.

原発性夜尿症に対する治療法は、アラーム治療法と薬剤治療法に大別され様々な報告がなされている。本論文は、原発性の夜尿症児105例を対象に、アラーム治療を基本に薬剤を併用することで、治療効果にどのような影響がみられるかを評価した。この論文の意義は、初期段階から薬剤を併用することに利点はなく、アラーム単独療法は夜尿症治療の第一選択として優れていることを示した点にある。

J Urol. 2004 Jul;172(1):112-8.

Real-time transrectal ultrasonography during laparoscopic radical prostatectomy.

Ukimura O, Gill IS, Desai MM, Steinberg AP, Kilciler M, Ng CS, Abreu SC, Spaliviero M, Ramani AP, Kaouk JH, Kawauchi A, Miki T

腹腔鏡下前立腺全摘除術におけるリアルタイム経直腸超音波を用いた術中モニタリングの有用性について検討した。リアルタイム経直腸超音波を用いることで、膀胱と前立腺の間を切離する際の境界の同定、前立腺から尿道を切離する際の前立腺尖部の同定、cancer focusと前立腺被膜との位置関係、およびドプラモードを用いた神経血管束の同定が可能であり、前立腺周囲の臓器ならびに血管解剖の理解に貢献することが明らかとなった。腹腔鏡下前立腺全摘術施行時のリアルタイム経直腸超音波ナビゲーションは、functional・oncological outcomeの向上に貢献する可能性があると考えられた。

Eur Urol. 2004 Jan;45(1):70-6.

Neuroselective current perception threshold evaluation of bladder mucosal sensory function.

Ukimura O, Ushijima S, Honjo H, Iwata T, Suzuki K, Hirahara N, Okihara K, Mizutani Y, Kawauchi A, Miki T.

膀胱知覚神経線維(Aδ線維およびC線維)の病態が、尿失禁,過活動膀胱,間質性膀胱炎などの病態に深いかかわりをもつ多くの証拠が明らかになっている。我々は超音波ガイド下、経尿道的に膀胱電極を留置することにより、末梢神経知覚閾値測定装置であるニューロメーターを膀胱の知覚機能検査に応用した。過活動膀胱および低活動膀胱の各線維のCPT値(電流知覚閾値)を測定した結果から、同装置は膀胱知覚特異的な神経線維が担う膀胱知覚機能の検査の新しい定量的評価方法になる可能性を示唆した

基礎(代表的業績を抜粋し説明文付記)

Biochim Biophys Acta. 2015 Nov;1852(11):2467-73.

PAX2 promoted prostate cancer cell invasion through transcriptional regulation of HGF in an in vitro model.

Ueda T, Ito S, Shiraishi T, Taniguchi H, Kayukawa N, Nakanishi H, Nakamura T, Naya Y, Hongo F, Kamoi K, Okihara K, Kawauchi A, Miki T.

肝細胞成長因子 (HGF) は細胞の増殖・分化調節など多種多様な生物活性を示すサイトカインであり、癌細胞の増殖と転移に関わると考えられている。本報では、転写因子PAX2がHGF遺伝子の発現亢進を介して前立腺癌細胞の浸潤を促すことを明らかにした。PAX2は前立腺癌細胞で優位に高発現するため、HGFを標的とした前立腺癌治療における新たな標的分子として有用である可能性が示唆された。

Urol Oncol 2014 Nov; 32(8): 1240-6.

CDK1 and CDK2 activity is a strong predictor of renal cell cancer recurrence.

Hongo F, Takaha N, Oishi M, Ueda T, Nakamura T, Naitoh Y, Naya Y, Kamoi K, Okihara K, Matsushima T, Nakayama S, Ishihara H, Sakai T, Miki T.

臨床の現場では腎癌の再発予測の有用なマーカーが望まれている。今回、cyclin dependent kinase(CDK)に着目し、その発現量だけでなく活性も測定することに よる新たなCDK測定系が開発された。そこで腎癌におけるCDK活性の予後予測因子 としての有効性について、分子予防医学教室およびシスメックス社と共同で研究 を行い、CDK1およびCDK2の発現と活性が腎癌の再発予測として有効であることが 示された。

Cancer Sci. 2014 Dec;105(12):1616-25.

Cycloamylose-nanogel drug delivery system-mediated intratumor silencing of the vascular endothelial growth factor regulates neovascularization in tumor microenvironment.

Fujii H, Shin-Ya M, Takeda S, Hashimoto Y, Mukai SA, Sawada S, Adachi T, Akiyoshi K, Miki T, Mazda O.

特異的な遺伝子の発現を抑制することのできるsiRNAは癌治療において効果的方法であると考えられており、siRNAを腫瘍まで安全に効率良く運ぶドラッグデリバリーシステム (DDS)の開発は必須であると考えられる。本報では、DDSの一つとして開発されたCH-CA-Spe nanogelを用いることでvascular endothelial growth factor (VEGF) 特異的siRNAが新心血管形成と腎細胞がん増殖を効果的に抑制することを示した。さらに、VEGFが悪性腫瘍に対する全身性免疫反応に効果を示すことを明らかにした。

FEBS J. 2014 Oct;281(19):4506-18.

Paired box 2 upregulates androgen receptor gene expression in androgen-independent prostate cancer.

Ito S, Ueda T, Ueno A, Nakagawa H, Taniguchi H, Hongo F, Kamoi K, Okihara K, Kawauchi A, Miki T.

本報では、前立腺癌の進行を促進することが知られる男性ホルモン受容体 (AR) が転写因子PAX2により発現亢進することを明らかにした。PAX2はAR遺伝子周辺のDNAメチル化抑制を介して転写を活性化し、前立腺癌細胞の増殖を促進する。その遺伝子発現制御機構はアンドロゲン抵抗性前立腺癌の進行メカニズムにおけるエピゲノミックな制御の一端に位置づけられると考えられる。

Biochem Biophys Res Commun. 2014 Sep 5;451(4):548-55.

A genetic screen in Drosophila for regulators of human prostate cancer progression.

Ito S, Ueda T, Ueno A, Nakagawa H, Taniguchi H, Kayukawa N, Miki T.

本報では新たな癌転移制御因子の同定を目的とし、ショウジョウバエの前立腺様組織を用いた前立腺癌転移モデルの構築を行った。構築した転移モデルを用いた遺伝学的スクリーニングにより同定した数種の候補因子は実際にヒト前立腺癌細胞における細胞増殖・浸潤制御を担うことが示された。ヒト前立腺癌進行制御メカニズムの解析におけるショウジョウバエスクリーニング系の有用性が示され、今後の応用が期待される。

Int J Oncol. 2013 Oct;43(4):1080-6.

A novel HDAC inhibitor OBP-801 and a PI3K inhibitor LY294002 synergistically induce apoptosis via the suppression of survivin and XIAP in renal cell carcinoma.

Yamada T, Horinaka M, Shinnoh M, Yoshioka T, Miki T, Sakai T.

OBP-801 (YM537) はサイクリン依存性キナーゼ阻害因子であり細胞周期進行の調節因子として機能するp21の誘発剤として見出された新規HDAC阻害剤である。本報ではOBP-801をPI3K inhibitorであるLY294002と併用することで腎細胞癌の細胞増殖を効果的に阻害できることを示した。OBP-801 とLY294002の同時処理はsurvivinと XIAPのタンパクレベルを顕著に減弱させ、その結果癌細胞の細胞死が誘導されることが示唆された。

Prostate. 2013 Sep;73(13):1403-12.

Hyper-expression of PAX2 in human metastatic prostate tumors and its role as a cancer promoter in an in vitro invasion model.

Ueda T, Ito S, Shiraishi T, Kulkarni P, Ueno A, Nakagawa H, Kimura Y, Hongo F, Kamoi K, Kawauchi A, Miki T.

本報では転写因子PAX2が転移性前立腺癌で高発現していることを見出し、癌細胞の増殖・浸潤促進に寄与することを示した。また前立腺癌細胞を用いたマイクロアレイ解析を行い、PAX2ノックダウン依存的に発現変動を来たす遺伝子には細胞膜タンパクをコードする遺伝子が多いことを明らかにした。これら成果により、前立腺癌において高発現したPAX2は膜タンパクなど様々な遺伝子の発現亢進を介して癌転移進行を促進することが示唆された。

PLoS One. 2013;8(2):e55922.

Apigenin sensitizes prostate cancer cells to Apo2L/TRAIL by targeting adenine nucleotide translocase-2.

Oishi M, Iizumi Y, Taniguchi T, Goi W, Miki T, Sakai T.

癌治療薬として着目されているApo2L/TRAILはそのリコンビナントタンパクが臨床評価段階である。本報ではフラボノイドの一種であるApigeninがANT-2と結合し機能阻害することでDR5の発現亢進を促し、Apo2L/TRAIL依存的な細胞死を促進するメカニズムを示した。Apo2L/TRAIL治療では様々な悪性腫瘍で抵抗性の獲得が報告されおり、ANT-2の阻害剤がApo2L/TRAIL治療において有効な治療薬となる可能性を示した。

Int J Oncol. 2013 Mar;42(3):903-11.

Clostridium butyricum MIYAIRI 588 shows antitumor effects by enhancing the release of TRAIL from neutrophils through MMP-8.

Shinnoh M, Horinaka M, Yasuda T, Yoshikawa S, Morita M, Yamada T, Miki T, Sakai T.

表在性膀胱癌に対するBCG膀胱内療法は効果的な免疫療法の一つであり、BCG応答性患者においてはBCG点滴後に多形核好中球が膀胱に移動し多量のTRAILを放出することが知られている。本報では、真正細菌の一種であるクロストリジウム属MIYARI 588がBCG同様に多形核好中球からのTRAIL放出を誘導する作用を見出した。また、TRAILの放出はTLR2/4シグナル伝達系を介してmatrix metalloproteinase 8 (MMP-8)により制御されるメカニズムを示した。

J Urol. 2012 Jun;187(6):2215-22.

Expression and role of HMGA1 in renal cell carcinoma.

Takaha N, Sowa Y, Takeuchi I, Hongo F, Kawauchi A, Miki T.

HMGA1は様々な癌種で高発現し、癌転移能に関与することが知られている。本報では腎細胞癌においてHMGA1が優位に高発現しており、癌細胞のコロニー形成・浸潤・遊走を促進し、アポトーシスを抑制することを示した。また、HMGA1を介した細胞死の抑制にはP-Aktの活性化が関与することが示唆された。

Int J Oncol. 2012 May;40(5):1441-6.

Significant induction of apoptosis in renal cell carcinoma cells transfected with cationic multilamellar liposomes containing the human interferon-β gene through activation of the intracellular type 1 interferon signal pathway.

Takaha N, Nakanishi H, Kimura Y, Hongo F, Kamoi K, Kawauchi A, Mizuno M, Yoshida J, Wakabayashi T, Miki T.

本報ではinterferon-β/Liposome製剤 (IAB-1) が腎細胞癌細胞で細胞毒性効果を発揮するメカニズムを腎細胞癌由来細胞株NC65を用いて明らかにした。IAB-1は、interferon に制御される遺伝子のプロモーター領域で見られる特異的DNA配列 [interferon-stimulated response element (ISRE)] の活性化を介してinterferon-βやinterferon受容体の細胞内局在量を増加させることが示唆された。

Int J Oncol. 2012 May;40(5):1483-91.

The anti-obesity drug orlistat promotes sensitivity to TRAIL by two different pathways in hormone-refractory prostate cancer cells.

Fujiwara J, Sowa Y, Horinaka M, Koyama M, Wakada M, Miki T, Sakai T.

TRAIL投与は優れた癌治療法とされる一方で、TRAIL耐性癌細胞に対する改善が必要とされている。本報では、肥満治療薬オルリスタットがホルモン抵抗性前立腺癌のTRAIL感受性を増強することを報告している。

Prostate. 2012 Jul 1;72(10):1124-32.

High mobility group protein AT-hook 1 (HMGA1) is associated with the development of androgen independence in prostate cancer cells.

Takeuchi I, Takaha N, Nakamura T, Hongo F, Mikami K, Kamoi K, Okihara K, Kawauchi A, Miki T.

本報では前立腺癌細胞がアンドロゲン応答性からアンドロゲン非依存性へと移行する上でHigh mobility group protein AT-hook 1 (HMGA1)の発現量が変動することを示した。また、HMGA1がアンドロゲン非依存性前立腺癌の細胞増殖を促進することを示唆した。

Int J Oncol. 2011 Feb;38(2):365-74.

Chetomin induces degradation of XIAP and enhances TRAIL sensitivity in urogenital cancer cells.

Yano K, Horinaka M, Yoshida T, Yasuda T, Taniguchi H, Goda AE, Wakada M, Yoshikawa S, Nakamura T, Kawauchi A, Miki T, Sakai T.

本報では低酸素症誘導因子阻害剤であるchetominが抗癌剤TRAILと協調的に作用し、泌尿生殖器癌細胞の細胞死を促進することを明らかにした。前立腺癌・腎癌・膀胱癌由来細胞株を用い、TRAILとchetominがXIAP タンパク量を低下させることで細胞死を誘導するメカニズムを示した。

Cancer Res. 2010 Jan 15;70(2):501-11.

Myocardin functions as an effective inducer of growth arrest and differentiation in human uterine leiomyosarcoma cells.

Kimura Y, Morita T, Hayashi K, Miki T, Sobue K.

myocardinは平滑筋や心筋の発達制御を担う重要な転写因子である。本報ではmyocardinが細胞周期制御因子であるp21の遺伝子プロモーター上で転写因子SRFとの相互作用を介して転写活性化に寄与することを示した。子宮平滑筋肉腫細胞ではmyocardinは発現低下しており、p21遺伝子発現が減弱し細胞周期の進行が異常亢進している可能性が示唆された。

Mol Cancer Res. 2008 Dec;6(12):1852-60.

Anti-gout agent allopurinol exerts cytotoxicity to human hormone-refractory prostate cancer cells in combination with tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand.

Yasuda T, Yoshida T, Goda AE, Horinaka M, Yano K, Shiraishi T, Wakada M, Mizutani Y, Miki T, Sakai T.

アロプリノールは数十年前より痛風と高尿酸血合併症の治療薬として用いられている。本報ではアロプリノールがTRAILとの併用により癌治療に対し効果的であることを明らかにした。アロプリノールはTRAIL受容体であるDR5の遺伝子発現を促進する転写因子CHOPの発現を増強させることで、結果的にTRAILにより誘導される細胞死を促進すること示唆した。