新規画像診断法を用いた前立腺診断の有効性評価

京都府立医科大学泌尿器科では、前立腺針生検を受けるかどうかを検討、または実際に生検を受けられた患者さんを対象に核磁気共鳴法(MRI)や超音波の画像診断を中心とした臨床的データの研究を実施しております。

実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。

研究の目的

MRIや超音波を用いた画像診断が、現在標準とされる無作為生検に関する解決すべき問題点(治療しなければならない癌を必ずしも採取できていない、経過観察でもよい癌を採取してしまう)を解決できるかどうかを、統計学を用いて解析することが目的です。

研究の方法

対象となる方について

当科で前立腺癌の疑いがあり、当科で前立腺針生検を施行した、または検討した患者さん

研究期間: 医学倫理審査委員会承認後から2022年3月31日(ただし、同意を取り消した時点で既に研究結果が学会や論文などで公表されている場合など、廃棄することができない場合があります。

方法

泌尿器科において前立腺針生検を受けられた方で、診療録(カルテ)より以下の情報を取得します。針生検結果と取得した情報の関連性を分析し、MRIや超音波検査の診断能について調べます。

  1. 患者情報:(連結匿名化)身長・体重、初診時年齢、前立腺癌の家族歴、前立腺生検既往の有無と内容
  2. 針生検前情報(測定日時を記載):血液・生化学検査、PSA(前立腺特異抗原)、尿検査、排尿症状の問診票、前立腺触診所見(異常であれば結節部位を記載)
  3. 画像情報:
    MRI:
    癌病巣局在情報(正常・異常, 単発 or 複数, 左・右葉, 尖部・中央部・基部, 辺縁域・移行域,ならびに診断画像の種類(T2・DWI・ADC・造影) 癌疑診症例の5段階グレード)
    TRUS癌病巣局在情報.
    グレースケールTRUS (正常・異常, 単発 or 複数, 左・右葉, apex・mid, base, 辺縁域・移行域)
    Multiparametric TRUS各イメージングの癌病巣局在情報
    Doppler(正常・異常, 単発 or 複数, 左・右葉, apex・mid, base, 辺縁域・移行域)
    Harmonic(正常・異常, 単発 or 複数, 左・右葉, apex・mid, base, 辺縁域・移行域)
    Elastography(2次元法・3次元法, 正常・異常, 単発 or 複数, 左・右葉, apex・mid, base, 辺縁域・移行域)
    前立腺容積、
  4. 生検手技情報:生検年月日, 生検手技(systematic biopsy単独 or fusion biopsy併用)採取生検個数、(systematic biopsyの個数、fusion biopsyの個数と採取部位)
  5. 生検病理結果情報(癌陽性部位番号、陽性コアーの局在部位、陽性コアーの各Gleason score, 陽性コアーの長さ:core length, % core length)
  6. 有害事象情報 CTCAEのグレードに準拠して記載
  7. 生検未施行症例に関しては未施行の理由

 

研究に用いる試料・情報について

情報:患者様の情報と画像情報、針生検結果に関して、年単位で行われた多数の方のデータを入力し統計の解析を行います。
カルテから抽出した情報は原則としてこの研究のために使用し、結果を発表したあとは、京都府立医科大学泌尿器科主任研究者(教授 浮村 理)の下、10年間保存させていただいた後、研究用の番号等を削除し、廃棄します。
試料:ありません。

個人情報の取り扱いについて

患者さんの病理組織、測定結果、カルテ情報をこの研究に使用する際は、氏名、生年月日などの患者さんを直ちに特定できる情報は削除し研究用の番号を付けて取り扱います。患者さんと研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、インターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、入室が管理されており、第三者が立ち入ることができません。
また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、患者さんが特定できる情報を使用することはありません。
なお、この研究で得られた情報は研究責任者(京都府立医科大学泌尿器科学教室教授 浮村 理)と分担研究者の責任の下、厳重な管理を行い、患者さんの情報などが漏洩しないようプライバシーの保護には細心の注意を払います。

研究組織

研究責任者
京都府立医科大学 泌尿器科学教室 浮村 理

研究分担者
京都府立医科大学 泌尿器科学教室 沖原宏治、本郷文弥、内藤泰行、牛嶋壮、
金沢元洪、藤原敦子、白石匠、平岡健児、山田剛司

お問い合わせ先

患者さんのご希望があれば参加してくださった方々の個人情報の保護や、研究の独創性の確保に支障が生じない範囲内で、研究計画及び実施方法についての資料を入手又は閲覧することができますので、希望される場合はお申し出下さい。なお、本研究の情報公開文書は泌尿器科学教室のホームページに掲載いたします。
また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2022年3月31日までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

京都府立医科大学泌尿器科
職・氏名 准教授 沖原宏冶(オキハラコウジ)
電話:075-251-5595