未治療日本人転移性腎細胞癌患者を対象としたニボルマブ・イピリムマブ併用療法の有効性と安全性に関する前向き観察研究へ同意されたことのある方またはそのご家族様へ

当院では、未治療転移性腎細胞癌の治療のため、ニボルマブ(オプジーボ®)とイピリムマブ(ヤーボイ®)の併用療法を受けられた患者さんに診療情報を用いた下記の臨床研究を実施しております。この臨床研究には文書により同意いただいた方にご協力いただいておりますが、このたび研究計画に変更がありましたため、ご案内させていただきます。

変更点:同意いただいた方から採取した腫瘍検体に対する検査項目の追加

詳細な情報を知りたい方は、[連絡先・相談窓口]に記載されている研究担当医師までお問い合わせください。また、この案内をご覧になり、当該研究への参加を取りやめたい方におかれましても、[連絡先・相談窓口]に記載されている研究担当医師まで当該研究への参加を取りやめたい旨をご連絡いただけますようお願いいたします。なお、研究参加を取りやめることにより日常診療などにおいて不利益になることはございません。ただし、既に解析が終了している場合など、研究データから情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。

[臨床研究課題名]

未治療日本人転移性腎細胞癌患者を対象としたニボルマブ・イピリムマブ併用療法の有効性と安全性に関する前向き観察研究 (J-ENCORE)

[臨床研究の目的]

この臨床研究の目的は、日本人転移性腎細胞癌患者さんに対するニボルマブ・イピリムマブ併用療法の実臨床下における有効性・安全性プロファイルを検討することを目的に実施いたします。 

[臨床研究の意義]

免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブとイピリムマブの併用療法は未治療日本人転移性腎細胞癌患者さんに対する有効性と安全性が国内外の研究によって示されています。しかし、日本でこの治療を受けた転移性腎細胞癌患者さんの数は限られています。 
そのためこの臨床研究は、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の日本の実臨床下における治療実態を記述し、より安全で有効に投与するためのデータを得ることを目的に実施します。この臨床研究を通して、日本での転移性腎細胞癌患者さんに対する安全で有効な治療法に役立つさらなる情報が得られることが期待されます。 

[臨床研究の方法]

この臨床研究は、未治療転移性腎細胞癌患者さんのうち、ニボルマブ・イピリムマブ併用療法を受けた患者さんを対象に、診療録などから研究担当医師があなたの生年月、病歴、身体所見、検査結果、治療状況などの情報を安全なオンラインウェブサイトを用いて集め、治療効果や副作用の発現等について解析します。

また、この臨床研究ではニボルマブ・イピリムマブ併用療法の有効性ならびに安全性に対する深い情報を得るため、腫瘍検体の検査を行います。この腫瘍検体の検査では、PD-L1の他に、BAP1, PBRM1, CD3, CD8, CD68等のがん細胞の特徴やがん細胞周辺の免疫状態を表すタンパク質の発現を正確に調べるために、腫瘍検体を測定機関である愛知医科大学病院に送ります。また、発現状況の測定結果は愛知医科大学病院から書面又は電磁的方法によりメビックス株式会社に提供されます。 

[個人情報の保護]

研究に利用する患者さんの個人情報に関しては、お名前、住所など、患者さん個人を特定できないよう、アルファベットや数字の組み合わせを用いて、匿名化した上で管理いたします。また、研究成果は学会や学術雑誌で発表されますが、その際も患者さんを特定できる個人情報は公開されません。 
また、将来、同一の薬剤を用いた研究やこの臨床研究の対象となる疾患又は関連する疾患の研究、国内外の医薬品としての承認を得る目的、研究結果の報告書や研究論文等の作成のため利用される可能性がありますが、その際も患者さんを特定できる情報は常に秘密が保持され、いかなる編集物、研究報告書あるいは出版物でも明らかにされることはありません。 

[データの二次利用について]

この臨床研究で得られたデータは、研究依頼者より承認された場合に限り、患者さんの個人情報が特定されない形でデータを2次利用することがあります。現時点でデータ2次利用先は未定です。なお、データの2次利用を行う場合には、研究依頼者が承認する範囲内で別途実施計画書を作成し、必要に応じて、改めて倫理審査委員会などの承認を受けます。

[費用負担について]

この臨床研究は、一般診療の範囲内のため、一般診療と同様に研究期間中の薬剤費を含む診療費は、全てあなたの保険および自己負担でお支払いいただきます。また、この臨床研究へ参加することによる謝礼などはございません。 

 [利益相反]

この臨床研究は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社及び小野薬品工業株式会社からの資金提供により実施されるため、利益相反※はありますが、医学的な視点から行われ、意図的に資金提供者の都合のよい成績となるよう導いたりすることはありません。また、研究の実施に先立ち、研究に影響を及ぼすような利益相反に関する状況を把握し、事前に当院の利益相反マネジメントポリシーに従う等適切にこれを管理し、研究結果の発表を予定する学会や医学雑誌の求めに応じて適切に開示します。
※利益相反とは、外部との経済的な利益関係等によって、研究の実施に必要とされる公正かつ適正な判断がそこなわれる、またはそこなわれるのではないかと第三者から懸念される事態を言います。 

[利用する者の範囲]

この臨床研究は、以下の研究機関・関係機関と協力して実施する研究です。 
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(責任者 :伊藤 寛明)
小野薬品工業株式会社(責任者:松元 寛樹)
研究代表医師(近畿大学医学部 泌尿器科:植村 天受)
愛知医科大学病院(責任者:都築 豊徳)
メビックス株式会社(責任者:村林 裕貴)
株式会社エスアールエル(責任者:水谷 徹)
参加している研究機関については、「別紙 研究機関一覧」参照

[試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称]

研究依頼者
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 伊藤 寛明

[臨床研究に関する情報公開の方法]

この臨床研究の計画や関係する資料をご覧になりたい場合は、この臨床研究に参加されている他の方の個人情報や研究全体の支障となる事項以外はご覧いただくことができますので、研究担当医師にご相談ください。なお、この臨床研究の計画や関係する資料をご覧になるまでに、時間を要する場合があります。承認された研究計画の内容や進捗状況は、ClinicalTrials.gov(https://clinicaltrials.gov/)及びUMIN-CTR(大学病院医療情報ネットワーク臨床試験登録システム)(https://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm)に公開されています。

[実施期間]

研究全体の実施期間は、2019年11月26日(倫理審査委員会から承認を得られた日)から、2025年7月31日までの間を予定しています。 

[連絡先・相談窓口]

詳細な情報を知りたい方、当該研究への参加を取りやめたい方は下記の研究担当医師までご連絡ください。なお、研究参加を取りやめることにより日常診療などにおいて不利益になることはございません。ただし、既に解析が終了している場合など、研究データから情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。 

京都府立医科大学 泌尿器科学教室 准教授 本郷 文弥
住所:京都府京都市上京区河原町通広 小路上ル梶井町465
電話:075-251-5595   FAX:075-251-5598

なお、この臨床研究はブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社及び小野薬品工業株式会社が、研究業務受託機関であるメビックス株式会社に委託し実施しています。