筋層浸潤性尿路上皮がん治療のため本学でニボルマブ(オプジーボ®)をご使用されていた患者さんの診療情報を用いた臨床研究へのご協力のお願い

このたび本学では、筋層浸潤性尿路上皮がん治療のため、ニボルマブをご使用されていた患者さんの診療情報を用いた下記の研究を実施いたしますので、ご協力をお願いいたします。なお、本文書は、亡くなられた患者さんの研究参加について、患者さんの代理人の方からの同意取得が困難である場合に、拒否できる機会を保障するために公開しています。
実施にあたり京都府立医科大学医学倫理審査委員会の審査を受け、研究機関の長より適切な研究であると承認されています。

研究課題名

筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象としたニボルマブ術後補助療法の日本における
治療実態研究

研究の目的

日本の実臨床下において、筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんに対するニボルマブの有効性、安全性及び治療実態を記述することを目的に実施いたします。
免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブ(オプジーボ®)を手術後に効果を高める目的で用いる治療(術後補助療法)は、筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんに対する有効性と安全性が、国内外の研究によって示されています。しかし、当該研究に参加した日本人の筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんの数は限られています。
そのためこの臨床研究は、日本の実臨床下におけるニボルマブを用いた術後補助療法における治療実態を調査し、より安全で有効に投与するためのデータを得ることを目的に実施します。この臨床研究を通して、日本での筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんに対する安全で有効な治療法に役立つさらなる情報が得られることが期待されます。

研究の方法

対象となる方について

2022年3月28日から2023年12月31日までに一度以上、筋層浸潤性尿路上皮がんの根治切除術後の補助治療としてニボルマブの投与を受けられた方

研究期間:

研究機関の長が許可した日から、2027年2月28日までの間を予定しています。

方法

この臨床研究は、筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんのうち、ニボルマブによる術後補助療法の治療を受けた患者さんを対象に、日常診療で行われている検査や治療を基に、筋層浸潤性尿路上皮がんと初めて診断された日から2025年12月31日までの診療録からデータを収集させていただく予定です。

研究に用いる試料・情報について

患者さんの生年月、病歴、身体所見、検査結果、治療状況等の情報を集めます。

外部への試料・情報の提供

この臨床研究で収集されたあなたの情報は、電子化して研究業務受託機関であるメビックス株式会社に提供されます。また、その情報は解析が行われたあと、研究依頼者であるブリストル・マイヤーズスクイブ株式会社及び小野薬品工業株式会社に提供されます。この臨床研究への参加に同意された場合には、上記の機関へ提供されることについて同意をしていただくことになります。情報の提供にあたり、あなたの個人情報は症例番号で管理されるため、個人情報が提供されることはありません。

個人情報の取扱いについて

研究に利用する患者さんの個人情報に関しては、お名前、住所等、アルファベットや数字の組み合わせを用いて、患者さん個人を特定できないように加工した上で管理いたします。また、その個人情報は研究のコンピュータデータベースを利用して別紙に示す研究依頼者や研究業務受託機関に共有されます。その際も、個人が特定できないように加工し、適用される法令又は諸規制等に従って取り扱い、保護します。
なお、研究で得られた情報は、米国に所在する研究依頼者の本社等に移転される場合もありますが、これらの関係者は個人情報の保護に関する法律(第28条第1項)に定める体制を整備しています。また、OECD(経済協力開発機構)プライバシーガイドライン8原則を遵守していますので、日本国内と同様に個人情報は保護されます。
研究成果は学会や学術雑誌で発表されますが、その際も患者さんを特定できる個人情報は公開されません。
また、将来、同一の薬剤を用いた研究やこの臨床研究の対象となる疾患又は関連する疾患の研究、国内外の医薬品としての承認を得る目的、研究結果の報告書や研究論文等の作成のため利用される可能性がありますが、その際も患者さんを特定できる情報は常に秘密が保持され、いかなる編集物、研究報告書あるいは出版物でも明らかにされることはありません。

試料・情報の保存及び二次利用について

この臨床研究で得られたデータは、ニボルマブを用いた他の研究、筋層浸潤性尿路上皮がんやその症状を引き起こす原因を調べる研究や、筋層浸潤性尿路上皮がんとは必ずしも関係がない科学的研究に用いる可能性があります。これらの場合においても、この臨床研究に参加された患者さんの個人情報は保護されます。
現時点でデータ二次利用は、筋層浸潤性尿路上皮がん領域における臨床研究(バイオマーカー研究含む)、他研究との比較としての利用、研究依頼者の社内資料等としての解析が想定されています。
なお、データの二次利用を行う場合には、研究依頼者の定める手順に従い必要に応じて改めて倫理審査委員会等の承認を受けます。

費用負担について

この臨床研究は、一般診療の範囲内のため、一般診療と同様に研究期間中の薬剤費を含む診療費は、全て患者さんの保険及び自己負担でお支払いいただきます。また、この臨床研究へ参加することによる謝礼等はございません。

利益相反について

  1. 利益相反の説明と法人規程等による管理
    利益相反とは、臨床研究の実施に際して外部との経済的な利害関係等によって、研究の実施に必要とされる公正かつ適正な判断がそこなわれる、又は、そこなわれるのではないかと第三者から懸念されることを指します。
  2. 研究資金について
    この臨床研究は本学とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社及び小野薬品工業株式会社との共同(受託)研究契約に基づき、同社からの資金提供により実施されています。
  3. 利益相反について
    本研究の実施にあたり、開示すべき利益相反はありません。
  4. 利益相反に関する追加的方策
    この臨床研究の実施にあたっては、研究者から独立した第三者がモニタリング、研究データの管理・統計 解析を実施します。
  5. 公正かつ適正な研究の実施
    資金提供者等の利益や意向に影響されることなく、この臨床研究を公正かつ適正に実施することをお約束します。
  6. その他(多施設共同研究の場合等)
    本学所属以外の研究者に関する利益相反については、それぞれが所属する機関において適切に審査、管理されています。

 

臨床研究に関する情報公開の方法について

この臨床研究の計画や実施に関係する資料をご覧になりたい場合は、この臨床研究に参加されている他の方の個人情報や研究全体の支障となる事項以外はご覧いただくことができますので、研究担当医師にご相談ください。なお、この臨床研究の計画や実施に関係する資料をご覧になるまでに、時間を要する場合があります。承認された研究計画の内容や進捗状況は、米国の臨床研究データベースであるClinicalTrials.gov(https://clinicaltrials.gov/)及び臨床研究等提出・公開システム(Japan Registry of Clinical Trials: jRCT、https://jrct.niph.go.jp/)に公開されています。
(ClinicalTrials.gov : NCT05779592 jRCT : jRCT1031230091)

研究代表者及び情報の管理について責任を有する者の氏名

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 中野 智吉

研究組織(情報を利用する者の範囲)

研究責任者

京都府立医科大学大学院 医学研究科 泌尿器外科学 教授 浮村 理

研究代表者

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 中野 智吉

研究機関・関係機関

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(責任者 :中野 智吉)
(役割:研究実施計画書及び症例報告書作成への参画、研究の管理監督、最終報告書作成への参画、公表への参加)(研究依頼者)
小野薬品工業株式会社(責任者:松元 寛樹)
(役割:同上)(研究依頼者)
メビックス株式会社(責任者:村林 裕貴)
(役割:研究運営支援、EDC構築・運用、モニタリング、データマネジメント、統計解析、安全性情報管理、学会・論文発表支援)(研究事務局)
クリニカルポーター株式会社
(役割:EDCデータ入力)(研究業務支援機関)
参加研究機関については、「別紙 研究機関一覧」参照

お問い合わせ先

患者さんの情報がこの臨床研究に用いられることについて、ご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。この場合も患者さんに不利益が生じることはありません。ただし、研究データ/匿名化研究データがすでに使用されており、特定の患者さんのデータのみを取り出すことができない場合は、引き続き使用されることがあります。

京都府立医科大学大学院 医学研究科 泌尿器外科学
研究責任者 教授 浮村 理
住所:京都府京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465
電話:075-251-5595 FAX:075-251-5598
受付時間:平日9:00-17:00

なお、この臨床研究はブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社及び小野薬品工業株式会社が、研究業務受託機関であるメビックス株式会社に委託し実施いたします。